2012/05/13

アンテロープ・キャニオン (Upper Canyon) アリゾナ州

アリゾナ州、ペイジという小さな町にあるアンテロープ・キャニオン。
以前からずっと行ってみたかったものの、なかなか訪れる機会がなかったのがここである。

機会がなかったのは、アリゾナという、夏はとんでもなく暑くなる場所であるということ、
そして、我が家からはかなり遠い...というのが理由だろうか。

3月の終わり、今ならまだそれほど暑くないのでは?と期待し、
思い切ってここに出かけることにした。^^




我が家にはペットがたくさんいるということもあり、あまり長い期間の旅行は避けてきた。
いつもは1泊の旅が多いのだが、遠いので今回は...2泊3日、往復1,770kmの旅である。
2泊が...誰かに頼んでペットたちの様子を見にきてもらう必要がない、ギリギリの日数かな...



出発したのは金曜日の夜。
カリフォルニア州を出て、ネバダ州に入り、ラスベガスで一休み+晩ごはんを食べ
アリゾナにほんの少し入ったと思ったら今度はユタ州に入る。
そしてまたアリゾナとユタをジグザグ状に走って...やっと着いたー!
片道だけで10時間くらいかかったかな...(笑)
もちろん途中でトイレ休憩や車内仮眠取ったりはしたけどね。

やっとのことで着いたペイジという美しい小さな町は、ナバホ国の一部である。
アメリカ先住民族、またはネイテイブアメリカンと呼ばれる中でもこのナバホ族は
アメリカ国内最大の土地と人口を誇り、彼らの保留地であるナバホ国はアリゾナ州の4分の1、
ニューメキシコ州とユタ州の一部にまたがっており、彼らの管轄となっている。

ここ、アンテロープ・キャニオン観光も、ナバホ族に連絡して予約を入れるようになっている。
ただ、ツアーを売りにしている会社はナバホ族が直接運営しているわけではないらしいが...





このアンテロープ・キャニオンは、土地を保護するために、一日に20人ほどしか入れないようになっている...そのうち10人は事前に予約した人、後の10人は当日抽選で...と実は聞いていた。

アンテロープ・キャニオンには、Upper CanyonとLower Canyonと呼ばれる2つがある。
というものの、私たちは旅行寸前になってそのことを知ったのではあるが。

ツアー会社に申し込んで観光できるのは、実はUpperだけである。
で、今回はまずこちらのUpper Canyonからご紹介。





しかーし...

なんだかものすごい人数がいるんですけど...??
20人どころじゃない。60人くらいいそうな感じ。

オフィスの前には、トラックが見える。
ひょっとしてこれで行くんですかー? (;・∀・)


ツアーにするらしい人の数はどんどん増え、100人くらいいるのでは?といった感じになった。
一日20人というウワサはいったいなんだったのだろうか?

などと思っているうちに出発時間となった。

ああ、やっぱりこれで行くんだ~~!


頭の中ではドナドナが流れ、気分は荷馬車に乗せられる仔牛である...^^;
しかも私が座ったのは一番最後、つまり最後尾なのだが、このトラックに限ってバタンと閉めるパイプドアのようなものがない...シートベルトはあるものの、ちょっとコワイぞ...


トラックは普通の舗装道路をぶっ飛ばして行く。
どっひゃ~~~~~!! お、落っこちちゃいそうだよ~~~~!
シートベルトしてるとはいえ、ビビって手すりにガシっと捕まり、Jがその様子を察してか腕を伸ばして私の身体をぎゅっと押さえこんでいる(しかもクスクス笑いながら...おいっ!)

キャニオンまでの距離はそれほどでもない。
ほんの数キロ、時間にして10分程度のドライブである。

舗装道路をしばらく走ると、広い駐車場へとたどり着く。
ここからスタートするツアーを組んでいる会社もあるらしい。



ここでトラックから降りて、ちょっと歩くのかな? と思ったら違った...
売られていく仔牛たち(私達のことよ)を荷台に積んだトラックは、駐車場をスルリと抜け、そのまま赤茶けた土の上を全力で走りだしたのである。

ナバホ族が管理しているここは、自由に自家用車で入り込むことはできない。
ツアーの車しか乗り込めないらしかった。


それにしても、ゆ、揺れる~~~~~~!!!!!! ヽ(゚∀。)ノ
四駆のトラックで家畜のように輸送された理由はコレかいっ!!!!

予想以上に長い距離をゴトンゴトンと揺られ...やっと入り口に着いた...ゼィゼィ...


中央よりやや左に見える、亀裂のようなところが入り口である。



写真には写ってないが、トラックが4~5台停まっていた。
私達の乗ったトラックは最後だったので、他の観光客はすでにキャニオンの中にいるらしい。


ガイドに引率され、中に入ると...

そこにはキャニオンの外からは想像もつかない幻想的な世界があった...



このアンテロープ・キャニオンとは...(以下ウィキより)
アンテロープ・キャニオンは他のスロット・キャニオンと同じく、周囲の砂岩(ここではナバホ砂岩)の侵食によりできた何百年にも及ぶ地層を形成しており、これは主として鉄砲水のほか、風成の侵食によるものである。特にモンスーンの時期に降る雨水はアンテロープ・キャニオンの一部である谷間を流れ、より狭い通路を流れるにつれ水は加速して砂を拾いあげる。その後長い時間をかけて通路が侵食されると、狭い通路は更に広くなり岩の鋭さはより滑らかにされて、岩の「流れる」ような特徴を形作る。こうして独特の岩の通路が、長い時間をかけ完成された。

ほうほう...大変に興味深い。
そして美しい。

でも...


ちょっと人多すぎじゃないここ???


一日に20人しか入れないだなんてデマもいいとこ!
まるで休日の動物園のごとく、人がワラワラいるのである。
しかも、場所によってはかなり狭いので、この写真のように芋洗い状態...(^_^;)

私たちが参加したツアーは一般的なもので、一人一時間/46ドルだったのだが
これとは別に、フォトグラファーズ・ツアーというのがあって、そちらは一人二時間/80ドル。

予約をするときにJが、どっちにする?というので、安いほうでいいよ...と答えた。

フォトグラファーズ・ツアーというのは、その名前からもわかるように、
ここで美しい写真を撮りたい人向けのツアーであるらしかった。

何しろ薄暗いところなので、ベストな撮影方法は、シャッタースピードを落として三脚を使って撮ること...ということらしいが、そのツアーに参加する人だって、結局はこの、同じ場所にこれだけの人たちと一緒にいることになるわけでしょう?
高いツアーだからって、その人たちだけに貸切にするわけでもないし...
そんな芋洗い状態でお高いツアーに参加しただけの写真は撮れるのか?



ああ、それにしても人が多い...(笑)

稀に、ふと人が途切れることがあるので、そんな瞬間を狙って撮影してみる。



こういう場所でいくら頑張ってみても、プロが撮るように撮れるわけないのでは?

最初からそう思っていた私は三脚も持って行かなかったし、
キレイな光景の場所を探して適当にシャッターを押していただけだ。
でも、その場のミステリアスな雰囲気くらいは撮れたのではないだろうかと思う。(笑)


この、Upper Canyonの中での見ものというか売りというのは、
太陽が真上に来たときに見ることができる、通称ライトビームという光の柱であるらしい。
そのせいで、私達が参加したこの時間のツアーは特に混んでいたのだろう。




これはほんの短い時間にしか見ることができない。
実際にこの写真を撮ったあと、キャニオンの終わりまで行ってUターンして戻ってくると、
なるほど、同じ場所のライトビームはもうなくなってしまっていた。

そろそろ戻りますよ~...というガイドの声がし、入り口へ戻ることになった。
外に出るとアリゾナの日差しが眩しい。

アンテロープ・キャニオンというのは、昔から先住民族らが神聖な場所として大切にしてきた場所なのだろうと思っていたのだが、今は彼らにとって観光客から収入を得るという意味での大切な場所になってしまったのだろうか。

再びトラックの荷台に仔牛のように乗せられ、
ガタガタと揺れるたびに手すりを握る手にグッと力を込めながら、そんなことを考えた。


さて、次回はもうひとつのアンテロープ・キャニオン、Lower Canyonの紹介である。^^







ポチっとしてってね♪

5 コメント:

maru-tonpi さんのコメント...

ちっちゃい子たちを置いていくのは
とても心配ですよね。
うちも、遠出が出来なくなりました。

素敵な場所ですね。そして、広大!

観光客に守られている・・・
それはきっと事実でしょうね。

ドナドナ。乗ってみたいです。

ねこぢい さんのコメント...

mari_caさん、ブログお引っ越し後の新しい記事、うれしいです(^^)
いつもながら、さすが「アメリカ大陸」って感じですね。
ツアー用のトラックも安全管理とかすぐ取り沙汰されそうで、日本じゃあり得ないでしょうね(^_^;
「自己責任」ってことでオッケーなんでしょうか。

また旅の続きも楽しみにしています(^^)

mari_ca さんのコメント...

★maru-tonpiさん:
留守番が一番安心なのはハムスターでしょうか。
彼らは自分たちで餌を貯めこんだりしているので、室温管理さえしておけば、一週間くらい行けそうかも...(笑)
でも、猫とモルはやっぱり2泊までと決めてますね。^^;

★ねこぢいさん:
いや~ずっと放置してました。(笑)
でも、気分一新でまた続けて行こうと思います。
写真だけならフェイスブックやツイッターでも保存しておけますけど、やっぱりブログ記事にして保存するのが、後になって自分で読み返すこともできるし、楽しいですしね。^^

こちらの国立公園は、まさに安全は自己責任で...といった感じです。
崖っぷちでもロープ一つ張られてませんからね...
過保護な日本とは大違い!^^;

shrike さんのコメント...

お久しぶりです。shrikeです。
(先日もコメントしたんですが、記載されていませんでした。)
まずはブログの移転おめでとうございます。
そして、復活してよかったぁ!!です。
無理しない程度で更新をお願いします。

アンテロープって草食動物のアンテロープと一緒なんですかね?昔は青い草がいっぱいだったのかぁ。。。なんて思ってしまいました。

綺麗な写真、ありがとうございます。

mari_ca さんのコメント...

★shrikeさん:
こちらにも遊びに来てくださって嬉しいです! ^^
ブログも同じようなのをずっと続けていると、スランプのようなものを体験するんだなーと思いましたね(笑)

でも、環境が変わると気分も一新!
またチビチビと更新しますので、どうぞよろしくです。^^
 
そうそう、アンテロープは動物のアンテロープみたいです。
昔は普通にいたらしいんですが、今は滅多に見ないとか。
ナバホ少年が言ってました。^^